コラム

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お役に立ちま専科4

コミュニケーションの重要性


課長 浅野 幸嗣

概要

ビジネスコンサルティング部は、「お客様である金融機関のシステムに係るコンサルティングなどさまざまなサポート」を行っており、仕事場所は、当社のオフィスでなくお客様のオフィスであり、いろいろ苦労もありますがそこに喜びがあるとも言えます。また金融検査マニュアルや日本版SOX法でも規程の整備を義務付けております。
私は今までに、「品質評価」、「要件定義や外部設計などの上流工程」や「受注のための情報提供、提案書作成」などの支援作業を行ってまいりました。
今回、あるシステム構築プロジェクトにおける「結合テストの品質評価」の支援作業に参画しました。
お客様の仕事場所は、東京地区でなくある地方都市での作業となり、今回対応した、「品質評価」について記述したいと思います。

プロジェクトの特徴

システム構築プロジェクトは、次のような特色を持つものでした。

  1. 既存業務と異なるまったく新しい業務である。
  2. 利用者は業界関係者だけでなく、その取引先も共同で利用する。

開発の考慮点

  1. 業務開発は過去の事例や経験を活かせる部分が少なく、難しい処理について開発を進めながら見極める。
  2. 新しい業務と直結したシステムであるため、ソフトウェアの品質は業務に重大な影響を及ぼす。
  3. 関係者が多く期限などスケジュールの遅れは許されない。
  4. 大規模な開発であるため、受託会社が「親」-「子」-「孫」と複数社に跨っており、開発拠点も分散している。

品質評価上の問題点

  1. 発注元からの仕様変更が多発している。
  2. 開発拠点が分散しているため統一した管理が難しい。
  3. 短期間での品質評価を行う必要がある。

評価に当たって

お客様の品質管理では、ソフトウェア工学的なアプローチによる手法が取り入れられ、それに加え開発の特性を踏まえた、品質管理も実施されておられました。
品質管理手法について、さまざまな方法が開発されていますが、その中でもプログラム単位の製造に関する開発手法は進歩してきました。
一方では上流工程と分散開発の重要性がますます高まっているといえます。
特に、分散開発では、仕様などの内容を正確に相手に伝える文章表現(コミュニケーション)力も品質の大きな要素となっており、同じように品質評価をする側としても、文章表現力が大事であると思います。
私たちは定量的なデータを使用し上記のような観点にしたがって分析を実施しました。

対応策

「定量評価」、「定性評価」、「性能測定結果」、「課題管理」、「バグ分析」について、拠点ごとに共通のものさしによる標準的な評価と、開発の目的にしたがった品質目標に関する評価を実施しました。

まとめ

短期間で仕上げるため仕事が連日深夜に及びタクシーで帰る日々となりましたが、現場のリーダをはじめ関係者の方々の温かいご協力により、無事品質評価ができました。

大規模開発を成功させるキモ


係長 柴田 隆司

概要

銀行系のアウトソーシングを行っている会社の開発支援チームに入り、銀行勘定系システム更改のプロジェクトメンバーの一員として参画しました。その時の役割としては、結合テスト~システムテスト~リハーサルテストの各テストフェーズにおいて、進捗管理と障害管理の作業を中心に支援活動を行ないました。進捗管理、障害管理ともに管理作業上、当初様々な問題がありましたが、支援活動を通じて適宜、見直し改善を行い、結果として円滑なプロジェクト活動の遂行にお役に立つことができました。
以下、問題・課題とその改善点を中心に概略を記載します。

進捗管理

問題・課題

大規模開発プロジェクトであるがために、業務単位にチームが分かれており、そのチームを統括するリーダが傘下のメンバーから進捗情報を毎週集めて集計する作業に多大な労力を要し、本来リーダが行うべき作業がおろそかになるといった弊害を生じている。

改善した点

まず、進捗報告のフォーマットを統一化して全チームが同じ仕組みで報告できるようにしました。この統一フォーマットを基に全チームから上がってきた報告の集計を、EXCELマクロを駆使し自動化して、進捗管理用の資料作成を行いました。また、資料はできるだけグラフ化することにより全体の状況が一目で把握できるように工夫しました。この資料を各チームのリーダにフィードバックし、各チームでの予実管理をやり易くしました。

障害管理

問題・課題

テスト期間中における障害管理そのものは、管理システムが導入され運営されていましたが、障害の発生状況や収束状況などが、「見える化」されておらず、品質管理へと結びつける手段が確立されていない。

改善した点

週単位の障害の発生件数と解決件数を各フェーズのテスト期間を通じてグラフ化し、障害の増減状況が一目で分かるよう工夫、改善しました。この資料を同様に全チームにフィードバックしました。この障害管理の資料により、問題・課題をかかえているチームや懸案となっている作業を浮かび上がらせることが可能となり、問題・課題の解決推進の一助とすることができました。

まとめ

大規模プロジェクトになればなるほど全体の状況が一目で分かるような仕掛けが重要であることが、この経験を通して改めて実感しました。
プロジェクトをサポートし牽引する役割を担っている開発支援チームは、管理ツールや管理手順をあらかじめ整備し、手戻りの作業が発生することのないよう見直し改善を重ねていく必要があります。

(振り返って)

統一した基本理念の下でBCPを策定しているため、教育・研修についても、共同実施が可能となります。 また、今後の「事業継続計画」の定期的見直しも共同で実施することが可能となりました。

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